「瓦屋根」の台風対策！強風対策のための法改正とガイドライン工法

2022年7月21日 2022年7月17日

協同ホームサービス

2022年の1月から「瓦屋根」に関する建築基準法が改正されたのをご存じでしょうか？

昨今の大型台風での住宅被害を受け、新築住宅の瓦屋根の強風対策が義務化されました。

今年も梅雨も明け、これから台風シーズンが到来します。

自宅の屋根が「瓦屋根」という方、これからの台風シーズンに向けて強風対策を考えていらっしゃる方はぜひ参考にしてください。

瓦屋根は地震と台風に弱い？自然災害による被害と法改正

関西では2018年6月、大阪北部地震で瓦屋根のズレや落下などの住宅被害が多数発生したことは記憶に新しいと思います。その直後に豪雨による雨漏りなど被害が重なったこと、被害の件数が多かったことで対応が遅れ、被害が長期化してしまいました。

2019年には台風15号で関東を中心に多くの家屋が被害にあい、被害のあった家屋の８割が瓦屋根であったとのデータがあります。

この2019年の台風被害を受けて建築基準法に基づく瓦屋根の留付けの基準が改正され、2022年1月から新築の建物で瓦を使用する際には、瓦屋根の施工において地震や台風などの災害に対して強い耐性のある工法（ガイドライン工法）が義務化されました。

2022年1月から新築の瓦屋根の施工において地震や台風などの災害に対して強い耐性のある工法（ガイドライン工法）が義務化されましたが、ガイドライン工法自体は阪神淡路大震災での被害をうけ2001年に設定されたものです。

ですので、１つめのポイントとしては、ガイドライン工法が設定される以前、2001年より前に建てられた住宅で、今まで屋根の修繕などのメンテナンスをうけていない場合は特に要注意であることが言えるかと思います。

また、2001年以降広まったガイドライン工法ですが、それに沿った施工を強制するものではなく、あくまでも施工業者の任意でした。

それが今回の法改正によって、新築・増築の瓦屋根施工を対象に義務化されたという流れになります。

ですので、２つめのポイントとしては、2001年以降に建てられた住宅でも、ガイドライン工法ではなく昔ながらの工法で瓦屋根の施工行われている場合は注意する必要があります。

逆に言えば、瓦屋根の住宅であっても地震や台風などの災害に対して強い耐性のあるガイドライン工法がとられている場合は過度に心配する必要はないでしょう。

ここまで地震や台風に強いガイドライン工法のお話をしてきましたが、ガイドライン工法で施工されているからといって100%安心かというと、そうでもないのが現状です。

実際2019年に関東で大きな被害のあった台風15号では、ここまでご紹介したガイドライン工法で施工された瓦屋根でも被害はゼロではありませんでした。

元々阪神淡路大震災をうけて設定されたガイドラインですので、近年の大型台風や予測される巨大地震にも耐えられるような改良が今後の課題かもしれません。

ここまでご紹介した瓦屋根のガイドライン工法ですが、今回の改正では新築・増築部分義務化の対象であり、すでにある住宅や建築物の瓦屋根に直ちに修繕を求めるものではありません。

今後瓦屋根を葺き替える際には、ガイドライン工法での施工をぜひご検討ください。

お住まいの自治体によっては耐風診断や葺き替えに対する独自の助成金や補助金の制度を設けている場合があります。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。

もし瓦屋根にお住いの方で、不安のある方は一度業者に点検を依頼することをおすすめします。

ご自身で瓦屋根のヒビやズレ、割れなどを確認することも可能かもしれませんが、自分やご家族の方が屋根の上に登ることは大変危険です。

大きな怪我や事故に繋がりますので、自分で屋根の上に登るのは絶対にやめましょう。

また、専門家でないと判断のつきにくい場合もありますので、一度も屋根の点検やメンテナンスを受けていない場合などは特に専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

台風の被害を未然に防ぐためにも、ぜひ台風前に点検をうけておきましょう。

屋根の点検を受ける際の注意点としては、飛び込みの営業や訪問販売の中には少なからず悪徳業者も存在しますので、信頼のできる業者に点検を依頼することが重要です。

特に台風や地震などのあとには、災害に便乗した悪質商法や消費者トラブルが多く発生する傾向があります。

皆様の大切な家とお金を守るためにも、信頼できる業者を選びましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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